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猫の病気

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アニマルランド北島動物病院

猫の病気

猫の腎臓病

人間と同じように猫にも腎臓病があります。
ここではその猫の腎臓病についてご説明いたします。

○症状
猫の腎臓病はほとんどが慢性の腎臓病です。

急性の場合は腎臓病を発症するような物質(ユリ科植物や不凍液)を摂取したり、尿結石等の尿が出せない病気にかかっていたりといったケースが考えられます。

・尿の量が増える
腎臓病になると体の中の水分バランスが悪くなります。

その結果現れる症状の一つとして尿の量や回数が増えるという事があります。
尿の量が増えても、排出される毒素や老廃物の量は変わらないか、減りますので、尿自体は薄くなります。

・水をたくさん飲む
これも水分バランスの異常に由来します。

当然ですが、飲む量が増えれば、出る量も増えますから、尿の量が増える症状と共に現れることがあります。
なお、「水をたくさん飲む」「尿の量が増える」という症状に対し、対策のつもりで水を与える量を減らすのは
逆効果なのでやめましょう。
脱水症状を引き起こしてしまいます。

・脱水症状
飲む量がそのままで尿の量が増えると、脱水症状になります。

そのため、外で尿をしている事が多い場合でも、チェックできる症状になります。

・吐く
尿には体内の毒素や老廃物を捨てるために作られます。

ですが、腎臓病になるとうまく尿が作れず、薄い尿となってしまい、毒素や老廃物が体の中に残ることになります。
上の3つの症状も、体が「尿を出す」必要を感じて、がんばった結果という事ができます。
で、毒素や老廃物が体の中に残り続けると、気分が悪くなり吐いてしまう事があります。

・口臭
毒素や老廃物が体の中に残ったり、水分バランスが悪くなった結果、以前とは違う口臭がするようになることがあります。

・食欲不振・体重減少
気分が悪くなると、食欲が減ります。
そうなると食べる量も減り、結果体重も減ります。
猫も年を取れば食欲も減るとは思いますが、腎臓病を発症していると、その影響からより顕著に
食欲不振・体重減少が起きるでしょう。

その他の情報

発症率
猫の慢性腎臓病は発症率が高く、高齢化に伴い避けては通れない病気と考えられています。
高齢の猫なら1/3以上が腎臓病にかかると言われています。

予防
人間なら塩分を控え、高血圧にならないようにするといった予防法がありますが、
猫の場合は有効な予防方法は見つかっていません。
唯一の対策は早期発見ですので、定期検診を受けるようにすると良いでしょう。

治療
慢性の腎臓病を治す治療方法はありません。

基本的には進行を遅らせる事と、症状を軽くする治療になります。
人間同様の人工透析(血管透析)を行う病院もありますが、
多くの場合は腹膜透析という腹部にチューブを入れて行う方法がとられます。

また、腎臓病自体の治療ではなく、合併症の治療もあります。
腎臓病になると、高血圧が発症することがあり、それに対する治療などがあります。
食事療法もありますが、人間と同じ考えでやると思わぬ副作用が出ることがありますので、
必ず獣医師の指導を受けるようにしましょう。

急性の腎臓病の場合は、尿結石をはじめとした原因の除去が有効です。

猫のエイズ

猫後天性免疫不全症候群という病気です。
猫エイズとも呼ばれ、FIVと呼ばれるウイルスに感染することで発症します。

○症状
感染した後時期によって症状は異なります。

・急性期
感染後約1ヶ月ほどで風邪、下痢、リンパ節が腫れるなどの症状が現れます。

いずれも軽いもので、場合によっては全く症状が出ないこともあります。
そして、これらの症状は何もしなくても、時間が経つと自然に無くなります。
症状が出ている期間は、短ければ1か月ほど。長くても1年以内に収まります。

無症状キャリア期
その名の通り目立った症状はありません。

何年もかけて次第に免疫力が低下していくのですが、短くても4年は続きます。
長いケースでは10年以上続くため、一見すると老化による体力低下と区別するのは難しいと思います。
ですが、検査をすればり患していることを見つけることができます。

持続性全身性リンパ節症期(PGL期)
リンパ節が腫れるという症状が出るのですが、目で見て判るほどの腫れではないため、見つけるのは難しいと言われています。

エイズ関連症候群
PGL期が始まって1~2か月ほどすると、リンパ節の腫れに加えて様々な症状が現れるようになります。
歯肉などの炎症・口内炎・口の中の潰瘍・治りにくい風邪・皮膚炎・目やに・鼻水・下痢・発熱・食欲低下・
脱水症状などがあります。
この状態は短ければ1年、長ければそれ以上続き、次の「エイズ」に移行します。

エイズ
免疫力の低下によって、がんをはじめ、色々な重い病気を発症します。

見て判る症状としては、目立った体重減少が挙げられます。
ここまでくると、余命は数か月と言われています。

その他の情報

感染
すでに感染している猫との深い接触によって感染します。

深い接触で最も多いのは喧嘩と言われています。次が交尾、唾液による感染もあるようです。
なお、FIVは猫専用なので、人間には感染しません。
同様に人間がかかるエイズの原因であるHIVも猫には感染しません。

予防
既に感染していたら、何をやっても意味がないので、最初に動物病院で検査をしましょう。

一番完璧な予防法は「他の猫に接触しない」です。
猫エイズは空気感染はしないので、他の猫に接触しなければ感染することはありません。
ただ、これは家の中から一切出さないという飼い方をする事になります。
それまで自由に外を出歩いていた場合、その環境に慣れるまで、数か月~数年かかると言われています。
その間外に出ようとしたり、「出してくれ」とばかりに、大きな声で鳴き続けたりします。
そのため、どなたにでもお勧めできる方法とは言い切れません。

なお、家の中だけで生活させていても、ご友人などが猫を連れてやってきたり、猫を連れて帰省された際に、
実家にも別の猫が居るといった場合、猫同士の接触が起きる可能性があるので、注意が必要です。
猫は「なわばり」を気にする動物ですので、知らない猫がやってくると喧嘩になる危険があります。

ワクチン
猫エイズワクチンと呼ばれる薬があります。
地域によってウイルスのタイプが異なるため、利用する意味が薄いケースもありますが、道央圏では有効だと思われます。
ただ、人間用のワクチンにも言えることですが、ワクチンには副作用があります。

接種を希望される場合は、獣医師から詳しい説明を受けて、そのうえで本当に接種するか最終判断するようにしてください。

なお、このワクチンは供給が不安定のため、在庫がない場合があるので、希望される場合は先にご確認ください。